| GLOCK 26 東京マルイ | |
| ガス・ブローバック | |
![]() ※このページの本文は、2003年5月3日に作成してWeb上にアップしたテキストです。 <実銃データ> 口 径:9mm×19 (9mmパラベラム) 銃身長:88mm 全 長:182mm 重 量:560g 装弾数:10+1発 <変革者グロック> グロック社は、ギャストン・グロックによって1963年オーストリアのウィーン近郊に設立された会社である。 もともとグロック社は銃器製造メーカーではなく、プラスチックと鉄を組み合わせる技術により、機関銃ベルト、訓練手榴弾、ナイフ等をオーストリアの軍隊に供給していた会社であった。 1980年代初頭、オーストリアの軍が新規制式ピストルを求める中で、グロック社はそれまでの評価の高い技術力をもって銃器を作り、この新式ピストルのトライアルに参加することを考えた。ここからグロック社の新たな挑戦が開始された。同時に、グロックの銃器業界への参入はそれまでのピストルに対する一般的概念を一変させるのである。 グロックの銃器設計思想はこうだ。まず、ポリマーフレームによる軽量化と同時に高いマガジン・キャパシティーを確保する。 また、銃の安全装置というものはそれを「外すべき状況下」において、誰よりもすばやく撃発体勢に移行できることが、その銃を握る者にとっての最大の安全装置である、という極めて積極的な逆転発想。つまり、今までの「いかに撃てなくするか」という装置が安全装置でなく、「いかに早く安全装置を解除して弾丸を発射するか」という点に焦点を定める思想だ。 そして、グロックが発表した新型ピストルは、その設計思想を見事に具体化していた。 それは、トリガー自体に安全装置をつけたものだった。つまり、引き金に指をかけるときは撃つときであり、指をかけない限り撃発はされないというものだ。 グロック社は、この機構により「射手は目的にのみ専念できる」としている。
そうしてGLOCK17は生まれた。G17は軍による徹底的な耐久性のテストをクリアし、オーストリアの全軍および警察当局の標準ピストルとなった。NATO加盟国ではノルウェーが初めてGLOCK17を採用し、世界の注目を集めた。このことは、1985年の米国における法執行機関へのGLOCK17への大量採用を見ても判る。これ以降、グロックという未来型のピストルは、映画やドラマをはじめ、やたらとメディアに登場するようになる。グロック大流行だ。 だが、一部無知な作者によって初期に言われた「プラスチックを多用しているので空港での金属探知機検査に引っかからない」というのは全くの出鱈目で、銃身や機関部は金属であるので、金属探知機にはしっかり反応する。ましてやグロックがハイジャックにもってこい、などというのは全くの噴飯もので、漫画でもそこまでの与太を飛ばさないだろうと思う。せめて、映画「ダイ・ハード」の中で描かれたように「最新式のグロックを持っているから奴らはただのテロリストではない」といった描写においてグロックを登場させる方が違和感がない。
さて、その後グロック社はグロック人気に後押しされ、特殊部隊用のフルオート射撃ができるGLOCK18をはじめ、様々なバリエーションを世に出していく。その中でも1988年発表のGLOCK19は、よりコンパクトなモデルの需要に応じて発表されたものであり、コンパクトでありながら15発の装弾数を有し、法執行機関や民間市場の要求を満たした。 グロックはポリマーフレームと鋼の機関部の組み合わせという新しいスタイルで、その後の銃器メーカー各社の製品に多大な影響を与え、近代ピストルのひとつの奔流を創出するに至り、大成功を納めたのだった。
<小型オートの決定版 G26>GLOCK26は、私服警官や秘密捜査官等のコンシールド・キャリー・ピストルの必要性に応えるため、1996年に発表された。 製作コンセプトは、 1.多弾数 2.大口径 3.良好な命中精度 4.最小のサイズ といったものであり、さらにこれに軽量化を加えてこれらを密接にコンビネーションさせることとされた。G26はその小ささと装弾数から米国で人気を博し、多くのユーザーを獲得している。 グロック・ピストルは留まるところを知らず、G26を発展させた.45ACP仕様のG30が米国市場をターゲットとして近年投入された。現在グロック・シリーズは番号が36以上あり、バリエーションが多すぎて覚えきれない。それだけ、求めるものに多機種で応じようという戦略なのだろうが、マニアでない限り、一目見てどの機種かを正確に言い当てるのは難しい。 確実なのは、どのグロックも10発以上も装弾されているということだけだ。
<トイガンについて>東京マルイ GLOCK26 発射方式:ガス・ブローバック 使用弾:6mmBB弾 銃身長:73mm 全 長:182mm 重 量:570g 装弾数:15+1発 初 速:平均72m/sec-0.518J(0.2gBB弾/気温30℃) オドロキである。このエア・ソフトガンは実銃と寸法が全く一緒であるどころか、重量が実銃よりも重いのだ。もちろん実銃は実包を装填したらかなりの重量にはなるのではあるが。 電動ガンで名を馳せた東京マルイのガスブローバックはどんなものだろうかと、以前から興味があった。 そして、実銃の世界で発表されてまだ5年もたたないうちに、マルイがGLOCK26を出すという噂に私は興味津々だった。 マルイのG26は2000年11月の発売と同時に売れまくったのか、あるいは初期供給量が少なかったのか、店舗には「見本」以外は注文待ち、という状況だった。そうこうしているうちに、私は買いそびれてしまった。というより、ビジュアル的にG26そのものに惹かれなかったのと、握ったときのズングリ感がどうにもしっくりこなくて、入荷待ちまでして手に入れたいという購買意欲が働かなかったのが正直なところだった。 ところが、私の所属するサバゲ・チームのリーダーはしっかりと入手していて、寒い季節なのにフィールドでトラブルもなく快調に作動させていた。 チューン・ナップ・フリークである彼のこと、きっと何かしらの調整をしているに違いないと思って尋ねると、全くのノーマルだという。 撃たせてもらうと、ことのほか快調である。 いきつけの店舗に注文して入手しようかどうか逡巡していたら、リーダーが 「安く譲ろうか」と言い出した。値段を訊くと「6,000円でいいよ」とのことだ。しかも箱つき新品状態。残念ながら取扱説明書は紛失とのことだったが、即決で商談が成立した。
銃本体はそのとき持ち帰ったのだが、後日、リーダーが持ってきてくれた箱を見て少し驚いた。想像していたパッケージ・デザインとかけ離れていたからだ。 東京マルイのパッケージといえば、電動ガンやエア・コッキングガンのパッケージのように、よく言えばシンプルで悪く言えばチープな単色のイラストものと勝手に思い込んでいたのだが、G26のものは違った。渋い。渋すぎる。背景を濃紺のつや消し印刷とし、その中にG26を握るアメリカンポリスと高層ビルのフォト。そして中央にスライド・オープンさせたG26を浮かび上がらせる図柄。かつてのMGCのカタログやパッケージを髣髴とさせるデザインなのだ。このこと一つをとってみても、東京マルイのGLOCK26にかける意気込みがひしひしと伝わってくる。 マルイG26を握ってみると、重心のバランスがよいのか、掌にすべて重さが納まる感じがする。 実銃の9mm以上の口径の銃の場合、実射の反動を逃がすためやや前加重の重量配分の方がよい、と聞いたことがあるが、エアガンの場合は重心位置が手の中にある方がよいと思われる。マルイG26を実際に握ってみると、そのズングリとした格好や握り心地からは想像できない重心バランスのよさに気づかされる。
ただし、気になる点がある。これは、マルイG26のディティールが実銃のフルコピーだとしたら実銃にもいえることだろうが、マガジン・キャッチのリリース・ボタンの下側が鋭利に尖っており、グリップを握った時に中指に当たって非常に痛いのである。 最初は「このままでいけるかな?」と思っていたのだが、素手で銃を握って何発も撃っていたら、やはり角が指に当たって苦痛になってきた。 私はボタン下部のみ、すぐに削りおとして滑らかにしてしまった。これで、左右どちらの手で握っても全く痛くはなくなった。外観を大きく崩す加工ではないので、握り心地が気になる方は、この部分の加工を一考されてはいかがだろうか。 仮に実銃が同様の作りであるなら、私なら実銃にも同じ加工を加えるだろう。 実銃と位置関係が違うならば、マルイG26はディティールが甘いということになる。
最近のエアガンは実によくできていて、技術面ではかつて確実な作動が命だったブローバック・モデルガンの作動機構のアイデアや設計力を越えているのではないかと痛感することがしばしばある。このマルイG26もそうだ。「何を今更」と言われそうだが、このエアガンはショート・リコイルするのだ。しかも、実銃と同様の効果を狙って、実銃と全く同じ動きをするのだ。 これは、大昔のモデルガンでのショートリコイル設計の困難さをファンの立場から知っていた私にとっては、驚異的なことに映るのだ。 いや、よくよく考えると、弾を発射してスライドを弾丸発射と同じソースで作動させるガス・ブローバックだからこそ、実銃の作動原理から類推して実銃同様に作動させる方向にもって行った方が力の伝達にロスがないのかも知れない。 モデルガンは弾丸を絶対に発射させない構造の中で、火薬の爆発力を増幅させてスライドをブローバックさせることに発明のツボがあった。従って、モデルガンの場合はショート・リコイルなど機能だけの面から語れば極端な話必要ないとも言える。だが、リアルさ追求のため、本来ストレート・ブローバックで充分作動するのに、作動に不安の残るショート・リコイルを導入して、かつ確実に作動させることに製作者は苦心したのだ。 ところが、エアガンにおけるガス・ブローバックの場合は、現実的に弾丸を発射させるので、たとえ小口径6mm弾とはいえ、実弾に比べて弾速が遅いBB弾が銃口から飛び出すまでは機関部は閉鎖しておきたい。できることなら閉鎖したままが一番ロスなくパワーをBB弾に伝えられるのだが、それでは単なる今までのノン・ブローバック・ガスガンとなってしまう。 そこで、実銃の大口径拳銃に必須のショート・リコイル機構がG26のガス・ブローバックに導入されているのだが、これは、極めて興味深いことだ。 そして、驚くべきことに、マルイG26はバレル、チャンバーの動きが前後動だけでなく、実銃同様に上下動する。全く実銃と一緒のチルト・ロック機構を再現しているのだ。 しかも、機関部はしっかりとスライドに対して遅延後退する。BB弾が銃口から飛び出すまではチャンバーは機密性を保ったまま閉鎖しているのである。
これは、なにも取ってつけたようにリアルさを求めることが先行したのではなく、「いかに効率よく弾丸を発射するか」を研究した結果、実銃の構造をガスガンに採用して具現化させたものだと思われる。しかし、安全面に配慮しながらこれを現実にカタチにするのは並大抵のことではなかったろうと思う。東京マルイの開発部門担当者、設計者に対しては頭が下がる思いだ。 安全に対する配慮はスライドを外してみると一目で判る。 実銃はファイアリング・ピンが内部で後退してロックされトリガーを引くことによりそれが前進してカートリッジのプライマーを叩く「ストライカー方式」であるが、マルイG26は内部にハンマーを内蔵しており、これが前進してマガジンのバルブを叩く機構となっている。しかも、そのハンマーの上部には奇抜な形をした謎の円盤(笑)が設置されており、ハンマー・コッキングの際のフリクション・ロスの軽減に一役買っている。 実際のハンマーはこの下部に内蔵されていて、トリガーを引くとこの謎の円盤と共に前進してマガジンのバルブを打撃するのである。実際は打撃というように一瞬「叩く」構造ではなく、ハンマーがバルブを「押す」構造になっている。押しっぱなしである。そして、押しっぱなしのハンマーはスライドが後退して謎の円盤を介して後ろにコックされることにより初めて押し出しのロックが解除される構造となっている。確実にバルブを押してガスを出す機構となっているのである。
<実 射>マガジンにBB弾を詰めるときに感じたのだが、マガジン・リップがタイトで硬め、とてもしっかりしており、好感がもてる。KSC P230などは、ちょっと触れただけでBB弾がピョヨヨ〜ンと飛び出してしまう作りなのだが、マルイG26のマガジンリップは実用性を重んじているようでグッドである。 また、BB弾をひとつずつローディングしていくのは、実銃のようで心を落ち着かせる。エアガンというと何かとジャラジャラとつめこむきらいがあるが、マルイG26のマガジンにはそうした面でもお手軽でないところがよい。BB弾はダブル・カラムでローディングできるので、慎重に左右が交互に並ぶように一発ずつ詰めていくのだ。実銃のように。 マガジンの材質は、ガス気化の際の熱伝導率を勘案してか、亜鉛ダイキャスト一体型。 裏側には最近のトイガンで定番ともいえる実銃マガジンをモチーフにした残弾表示とGLOCK社のロゴが、精巧な刻印によって再現されている。 ガスを注入して気になったのは、すぐにガスが満タンになることだ。これはマガジンの外見上の容積からみても疑問だ。推測だが、ひょっとしたら、内部に伸びているガス注入ノズルの長さに問題があるのかも知れない。気化室の容積との関係でわざとそうしているのかも知れないが、気になるところだ。 しかし、技術の東京マルイのこと、そのあたりは充分に研究し尽くして製品化していることだろうから、素人考えの憶測は禁物だ。 さて、BB弾も15発フルに詰め、ガスも充填した。 スライドを引き、パッと放すとBB弾は確実にチャンバーに装填された。 まず、屋外で地面と水平に撃ってみた。 10数メートル先で落下する。ホップが未調整のままだった。
ホップ調整は他のエアガンの殆どが六角レンチを使ってホップ調整する構造であるのに、東京マルイは電動ガンで見せた工具無しのアジャスタブル・ダイヤルによる可変ホップを採用している。東京マルイが御手の物とする機構だ。これは助かる。実銃なども、フィールド・ストリップで簡易分解する時には、実包のリムを使ったりするだけで、工具は一切使わないで分解できるようになっているものが多い。エアガンにおけるマルイの工具無しホップ調整機構も、実銃同様フィールドで大助かりなのだ。すぐにスライドを外してホップ調節をしてみる。 どうにかBB弾がまっすぐに飛ぶ軌跡にダイヤルを合わせた。 そこで、初めて気づいたが、このエアガン、BB弾がやけに真っ直ぐに飛ぶ。 使用したのはエクセルのバイオ0.2gBB弾。試しにマルイ純正0.2g弾で撃っても弾は素直な弾道を描く。 話は前後するが、入手した当時の冬場の初速は低かったが、後日夏場に計ったら、外気温摂氏30℃で10発の平均が72m/sec-0.2g出ていた。 この度、このテキストを書くにあたって、事前に弾速を計測したが、同様の初速を得ていた。 さて、この原稿を書く手を止めて、再度室内で試射してみることにした。 期待が膨らむ。 スケールで正確に距離を測り、5m先のショートホープの空箱に狙いを定める。 コンバットサイトのホワイトドットをよく狙う。 ん?以前はそれほど気にもとめなかったが、リヤサイトの谷の幅が広すぎるのか、フロントサイトの身幅が狭すぎるのか、リヤサイトの谷の中でフロントサイトが泳いでいるぞ。 よく考えると、狙って遠距離を撃つ銃じゃなかった。 実銃でも、数メートル先のマンシルエットを捉えられればよいのだ。 とりあえず、ガク引きしないようにトリガーを静かに平均的に力が加わるように絞り込む。
トリガーに設けられたセイフティは何の違和感もない。刹那、ボンッという発射音に少し遅れてパシッというかん高い命中音と共にショートホープの箱が吹っ飛んだ。 空箱を固定し忘れていたのだ(^ ^ ; 気を取り直し、箱を固定して5mラインから射撃する。 当たる。よく当たる。全弾命中か〜? 近くに寄って穴だらけになったショートホープの空箱を見ると、10発のうち1発だけが箱の右端をかすめていたので、当たりといえば当たりだが、私としてはこれはヒットには数えたくない。後はすべて命中していた。ブラボー!! よくこれだけ短いバレルで、しかも元気のいいブローバックをさせて、これ程命中するものだ。よほどバレル長含めたトータル・バランスがよいのだろう。 プリンキングにもゲームにも、実用エアガンとして充分使える。 しかし、思った通り、ガス1チャージで1マガジンちょっとを撃つのが精一杯で、速射の連射などした日には下手すると1マガジン撃ち切りも怪しい雰囲気がある。 実際のゲームでは15発連続速射で撃ち切る場面は少ないだろうし、1チャージで1マガジン分と割り切れば、それも合理的だと納得がいく。 それに、何よりも信頼できるのが作動の確実性! 何度撃っても、何発撃っても、ジャミングは皆無だった。 きっと、何千発・何万発も撃って、機関部やチャンバーのゴム類とかにトラブルが発生しない限り、ジャムは起きないのではないだろうか? 内に秘めた実力をまざまざと見せ付けられると、最初食わず嫌いで敬遠したズングリムックリのスタイルも、なんだか愛らしく見えて来るから不思議だ。 東京マルイGLOCK26。こいつは頼もしい相棒になりそうだ。 (May,3.2003:by 元木正太 )
|
|
| ガンモ所有のトイガン |