L85A1   アリイ
エア・コッキング
sa80

前面 ※このページの本文は、2003年1月14日に作成してWeb上にアップしたオリジナル・テキストです。
<実銃について>
口  径:5.56mm 新NATO弾(.223)
全  長:780mm
銃身長:518mm
重  量:4.13kg

大英帝国の現用制式銃である。
英国は1980年に、それまで使用していたL1A1(ベルギーFM社のFAL突撃銃の英国バージョン)7.62mm突撃銃に代わる次期小口径ライフルを検討することを決定した。
それはSA80システムと呼ばれ、攻撃用突撃銃と光学スコープつきの支援火器の開発だった。
NATOが旧7.62mmNATO弾に代わる次期制式弾を選択すると1977年に発表したとき、国有エンフィールド造兵廠はすでに1960年代中期から開発を進めていた4.85mm実包を使用する新型銃を発展させることを考えた。
これは米国人銃器設計者ユージン・ストーナーのAR-18をブルパップ型(弾倉を引き鉄の後ろに配し、全長を短縮しつつ銃身は長さを保ったデザイン)として発展させたものとして開発され、仮呼称はXL70と呼ばれたものだった。
しかし、米国の強力な.223/5.56mm弾推進により、新型NATO弾はベルギーのSS109/5.56mmに決定することとNATOはジャッジしたのである。
急遽エンフィールド・エンジニアにはM16A1の5.56mm弾よりも強力な新5.56mm弾に合わせた開発の手直しが要求された。
そしてFalkland紛争後、新システムは1984年にL85A1として採用された。
だが、オリジナルのSA80小銃(L85およびL86の両方)は多くの問題を抱えていた。

カット図 L85は湾岸戦争・アフガン紛争の戦地での作動性に全く信頼性がなかったのだ。
なにしろ、数十発撃ったら回転不良、部品や弾倉は脱落するわで使い物にならないのだ。
comando comando2

最精鋭である英国海兵隊(コマンドゥ)に至っては、いまわしいL85などとうに見切りをつけて使用を中止し、米国製かもしくはカナダ製のM16A2を使用しだす始末だった。
SA80の作動不良は英国議会でも問題になり、その結果、軍は莫大な費用をかけて、L85およびL86(支援機関銃)をすべて改良すると決定した。
2000―2002年に告知された改良プログラムは、ドイツのHeckler&Koch社に委託された。
現在では、ほとんどオリジナルのL85A1のバグがすべて直されたと公式には言われている。
そして、L85A1はL85A2ライフル銃として2001年の終わりに発表された。
英国海兵隊のグリーンベレーたちは、2002年5月まではアフガンにおいて信頼できるM16A2かM4カービンを使用していたが、6月以降の報道写真ではすべてL85を持たされている。
しかも、写真の海兵隊員がいずれも不満顔であるのは、戦局と戦後処理の困難さからくるものか、あるいは今まで使用して問題のなかったM16A2-A3-M4を投げ捨てて、「改良」後も満足に作動しない小銃を無理やり持たされたためかは、判断がつかない。
L85A2は更に実戦に投入されてタイム・プルーフされないと、信頼性について落ち着いた正しい評価は下せないだろう。
それにしても、かつてはベルギーのFN-FAL(L1A1)という優良さにおいて歴史上稀有な小銃を採用していた英国だが、ここにきてあくまでも国産にこだわるのは一体どうしたことだろう。
sa80

<トイガンについて>
つい最近まで、日本国内で唯一L85をリリースしていた有限会社アリイの製品である。
昔なつかしい手動エア・コッキング式を採用している。
有限会社アリイは、国内で数多くの名品を発表してきたプラモデル・メーカーであるLSが模型業界から惜しまれつつも撤退した後、LSの金型を使用して製品を市場に提供してきたメーカーである。
だが、近年はアリイ自体も不況のあおりを受け、製品群の市場への提供を事実上停止していることはまことに残念だ。
L85自体は実銃の評価はともかく、構えたときのポジションは特筆ものである。
これは人間工学的に優れたアメリカのM16系や、ブルパップ式・ライフルで成功しているフランスのFA-MASをも遥かに凌駕する。
実銃では重過ぎるといわれるL85だが、その射撃ポジションの優秀さだけは各国の小銃の中でもトップクラスといえるのではないだろうか。ただし、右利きの射手にとってはの話だが。
このアリイのトイ・ガンのナンチャッテ光学サイトは覗くと歪んで見えるので、プラスティックのレンズ風のものなど最初からないほうがましである。
射撃機能もあくまでオマケみたいなもの。ノーマルで優れた飛距離と命中精度を有するなら光学サイトを搭載してスナイピングにも使えるのだが、潜在能力は期待するだけ野暮というものだ。

<チューン・ナップ>
この銃の電動ガンは韓国のアカデミーというメーカーがリリースしているが、なかなか国内では手に入りにくい。
従って、いずれこのボディに東京マルイのFA-MASの心臓部を組み込んで電動化する予定。
課題はFA-MASのメカボックスvar.1の高速回転をいかに減速させつつ、トータル・チューニングで1ジュール近い初速と満足いく命中率を確保するかだ。
また、アリイL85は、かつて国内でリリースされていたMMC社製品のL85と違い、フル・セミのセレクターがダミーであるので、これをどう簡易に機能させるかも課題。
とにかく、「作る楽しみ」を与えてくれる夢の詰まったトイガンである。

(Jan,14.2003 : by 元木正太)
ガンモ所有のトイガン