COLT M1911A1 ガバメント   東京マルイ   
エア・コッキング
M1911A1実銃
※このページの本文は、2003年4月16日に作成してWeb上にアップしたテキストです。

<実銃データ>
口  径:45ACP(11.43×23mm)
重  量:1080g
銃身長:125mm
全  長:216mm
装弾数:7発
初 速:246m/sec
454J(弾丸15g)



<コルト・ガバメント小史>
19世紀末期、世界の拳銃の歴史はひとつのターニングポイントを迎えていた。
それまでの弾丸を一発ずつシリンダーに装填し、蓮根型のシリンダーを回転させて次弾を撃発位置にもってきていた回転式拳銃(リボルバー)とは全く構造が違うタイプの拳銃が開発されからだ。
それは箱型の弾倉にカートリッジを縦に詰め、初弾は遊底(スライド)を引いて弾丸を薬室(チャンバー)に装填し、後は引鉄を引くだけで連射できる、という革命的なものだった。

ブローニングこの構造は銃器ディザイナーであるジョン.M.ブローニング(1855-1926 米国ユタ州出身)によって考案された。
この新機構は自動装填式(オートマチック)と呼ばれ、100年以上経過した現在に至るまで、銃器の構造はほとんどこのシステムを採用しているくらい画期的なものだった。
コルト社もこの新式機構を採り入れるべく、ブローニングのパテントを獲得して新型銃を開発し始める。
1906年から1907年にかけて、米軍はそれまで採用していたコルト・リボルバーに代わる次世代軍用拳銃を採用することを発表した。
しかも、軍は口径をかつての制式銃コルトSAAリボルバー(シングル・アクション・アーミー=俗名コルト・ピースメーカー。「西部を征服した銃」とも呼ばれる。1873年発売)で使用していたのと同じ.45口径弾を次期制式銃にも使用することを要求した。
.45は当時最大の口径であり、アメリカ人にとって「45」という数字はある種「最大-最強」を意味する。

余談だが、近代アコースティック・ギターの雄であるC.F.Martin社の最高機種の型番が、つい最近まで「D-45」であったのは、こうした米国人特有の「45」という数字への思い入れが反映されたものであることは想像に難くない。

1911オリジナル さて、問題は新式拳銃だけでなく、新型弾丸をも新たに開発する必要があったことだ。
従って、コルト社とブローニング博士は、まず.45口径のオートマチック用弾丸を設計し、それを発射できる拳銃を設計した。
新型弾薬は.45ACPと命名された。ACPとは「オートマチック・コルト・ピストル」のことである。
1911年、コルト社が製造したその新型拳銃と新型弾薬は広範囲にわたる軍のテストをクリアして、M1911として米軍制式となった。以降、この次世代新型拳銃は「ガバメント」と愛称され、第一次世界大戦に先立って民間向けも含めて100万丁以上が製造された。
軍の「公式」となったM1911は、コルト社だけでなくレミントン、バローズ、サヴェッジ各社をはじめ、スプリングフィールド兵器庫によっても製造された。
また、このブローニングの自動装填式新システムによる銃の製造権利は、ノルウェーやアルゼンチンなどにもパテントに基づいて提供された。
世界中でブローニング・ガバメントの拳銃が使用されたのだ。
意外な場面では、ロシア革命のとき、ボルシェビキ革命軍が使用したりもしている。


1911と1911A1の変更点 <M1911A1>
1926年には、米軍の指摘によりオリジナルの設計が変更された。
主な変更点は以下の通りである。

1. フロントサイトを大型化
2. ハンマーの耐久性向上
3. トリガー・ストロークの短縮
4. 掌握性向上-グリップハウジングを曲線化
5. グリップのチェッカリングの簡素化
6. レシーバーのトリガー後部を握りやすく肉をそぐ
7. グリップ・セーフティー・ノブの延長

改善された設計は米軍に採択され、M1911はM1911A1拳銃として制式化された。
そしてガバメントは、1980年代中期にベレッタ92FSがM9名で代替採用されるまでの長きにわたり、米軍の制式拳銃の座を他者に譲らなかったのである。
また、ガバメントはその安定した構造・性能から、多くのガン・カスタマーによって高度にカスタムされ、競技銃としても現在に至るまで多くの人に愛用されている。

さらに、コルト社はその後もガバメントの多くの口径機種、新型バージョンを発表した。
1970〜1983年の間、コルトはmk.IVシリーズ70ガバメント・モデルを製造した。
1983年以降は、さらに撃針オートロック機構を備えて安全性を高めたシリーズ80がリリースされている。バリエーションとしてはニッケル仕上げやステンレス・モデルがあり、口径も9×19mm、.38スーパーのものもある。
コルト・ガバメントは各国の拳銃に大きな影響を与え、さまざまな国でコピーや発展型の拳銃が製造されている。
これほどの時間の流れと生産数と影響力を獲得した現役拳銃は皆無であり、コルト・ガバメントはまさに「拳銃の中の拳銃」と呼ぶにふさわしい。


マルイM1911A1 <トイガンについて>
東京マルイ M1911A1 コルト・ガバメント
発射方式:エア・コッキング
使 用 弾:6mmBB弾
装 弾 数:25発
初  速:70m/sec-0.49J(0.2gBB)
バ レ ル:アルミ製/内径6.15mm
全  長:217mm
重  量:394g
材  質:ABS

東京マルイのハイグレードシリーズ・ガバメントは2002年3月に発売された。
それまで発売されていたマルイのエア・コッキングシリーズをよりリアルに再現したものがハイグレードシリーズとされている。
従来のいかにもオモチャ然としたものと違い、刻印からディティールからかなり実銃に近づけて表現されている。
定価2900円とは思えないほど、「よくできた」エアガンだ。


私が手にして驚いたのは・・・何と!ショート・リコイルするではないか。
実銃において.45ACPのようなハイパワー大口径の場合、銃弾に充分な発射薬の燃焼エネルギーをロスなく伝える必要がある。ところが、発射薬の爆発力は前(弾頭側)に伝わるのと同じ力が後ろにも伝わる。これにより、自動装填の拳銃はスライド(遊底)を後退させて次弾を装填する準備をするのであるが、弾頭が銃口から飛び出す前に閉鎖されたチャンバー(薬室)を開いてしまっては充分な力が弾に伝わらない。それ故、弾が銃口から飛び出すまで薬室は閉鎖したままで、弾丸が完全発射後に薬室を開きたい。そのために薬室と一体となっている銃身を発射後少し後ろに引きずるように引っ張って、時間差で薬室を開くようにしたシステムが「ショート・リコイル」というものだ。
これは、.22口径などの小口径には必要ないが、遊底式のハイパワーな口径の拳銃には必須のシステムといえる。
ワルサーP38やブローニング・ハイパワーなどもショート・リコイル・システムを導入している。
私の大好きな劇画に望月三起也氏の「ワイルド・セブン」(「週間少年キング」連載/1969〜1979年)という歴史的傑作がある。
この中で、最終回近くに主人公飛葉がコルト・ウッズマン.22口径を.44口径に改造したものを使用している(第20話「ガラスの城」)。描写を見る限り、バレルは固定バレルであってショート・リコイルはしていないので、さすがの望月先生といえどもこれはあまりにも現実離れしすぎである。
もっとも、「ワイルド・セブン」は、あくまでも「嘘を本物ぽく見せる」という空想活劇であるところに醍醐味があり、この手のツボを押さえた作家としては当代一なのが望月先生であるのだが。

マルイM1911A1のリアルな刻印 で、ショート・リコイルだ。
これまた、トイガンの世界、しかもエア・コッキングの世界では全く必要のないものだ。
だが、逆もまた真なり。エアガンという嘘の銃の世界において、必要のない機構を本物に模して採り入れる。製品を手にする者のメンタリティーに訴えかける東京マルイの姿勢に私は大きなエールを送りたい。
このトイガンは、かつてモデルガンに惹かれまくっていた少年時代の淡い想いを呼び覚ます。
「良い物は値段に比例する」という歪んだ定式にとらわれている人は、製品に対する東京マルイのこうした姿勢に接するとき、どんな想いを巡らすのだろう。

通常分解 マルイ・ガバメントはハンマーがダミーであるがリアルな動きをする。
無可動ながらもファイアリングピンもリアルに再現していて、思わずニンマリ。
セイフティはライブであり、ハンマーを起こした状態でセイフティをかけるいわゆる「コック&ロック」ができる。
表面の仕上げも、20年前のABSのいかにもプラスチックといった表面仕上げとは大違いで、実銃のパーカーライズ社の表面仕上げ(パーカーライズド)に見事に近づけている。ちょっと見は実銃にソックリ。
フィールドストリップも実銃に近い作業で行え、メンテナンス性は非常に高い。写真の状態にするまで6秒あればできる。
外見上、唯一の欠点は、レシーバー部分が左右張り合わせのモナカであること。隙間が見えてしまう。
スライド部分がテーパーラインのない見事な一体成形なのだから、できることならレシーバー部分もそうしてほしいところだが、コストの関係上、これは致し方ないだろう。ここは自分でプラリペア等で隙間を埋めて、綺麗に塗装して仕上げよう。

マルイM1911A1 射撃性能は・・・・良い。すこぶる良い。
1985年当時、たしか東京マルイが1900円シリーズでルガーP08をリリースした。
これは今までのエアガンの常識を覆すくらいの命中精度で、その価格からして多くのエアガンファンを驚かせたが、そのときの感動が甦る感じだ。
しかも、ホップ・アップ機能がついているので、飛距離もかせげる。
初速は0.2gBB弾でだいたい70m/sec。充分じゃないか!
カシャ、パコン。カシャ、パコン。これは面白い。
遠い昔のエア・ソフトガンの原点を髣髴させる。
装弾数25発。
エア・コッキング・ピストルだけを使用するルールでゲームをやったら、楽しいかもしれない。さぞかし、みんな銀玉少年に戻ることだろう。

(Apr,16.2003:by 元木正太)

【2009年4月1日:追記】

2009年3月30日にレシーバーのモナカ割れ目を
埋めてから塗装した。


全体はこんな感じ。
使用した塗料は、ガンダムプラでは定番の磨くと
金属光沢を放つプラ用塗料。なかなか良い感じ。

ガンモ所有のトイガン