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※このページの本文は、2003年1月8日に作成してWeb上にアップしたオリジナル・テキストです。<実銃について> 第二次大戦後、米国はNATO制式弾を決定する際、各国が小銃の小口径化の開発研究を進めているのを知りながら、ごり押しで7.62mm実包をNATO弾としてしまった。 各国はそれまで進めた小口径化開発を投げ出して、NATO制式弾となった7.62mm実包を使用する銃を作ることを余儀なくされた。 しかし、米国はNATO弾を強引に7.62mmとしておきながら、朝鮮戦争後、勝手に自国のみ次期制式小銃の口径は5.56mmとしてしまうのである。 そして、米軍制式小銃採用トライアルに出された銃には、レミントン5.56mm弾を使用することが要求された。 数々のテストの結果、米軍はアーマライト社AR-10(口径7.62mm)の縮小版であるAR-15をXM16E1と称して仮採用し、制式化した後はM16と呼称した。 M16は先進性において優れた銃であった。制式化に先立ち、当初試験的に配備された南ベトナム軍、空軍、米軍特殊部隊はアーマライト社指定のレミントン社の弾薬を使っていたので、M16はトラブルも起きず快調に作動し、敵軍に「ブラックガン」として怖れられた。 しかし、AR-15の製造権をアーマライト社から獲得したコルト社に全軍配備のため大量発注をした米軍は、その後M16にはアーマライト社指定の弾薬を使用せず、大量にストックを抱えた従来の7.62mm軍用弾と同じ発射薬を5.56×45mm弾に用いて軍内に配備したのだ。 .223(5.56mm)とは、元々当時小口径狩猟弾で抜群の命中精度を誇っていた1950年製レミントン.222と同口径(22口径)であり、これの発射薬を増量させたものを1964年に.223としてレミントン社が発売したものだ。 しかし、その1ヶ月後に米軍は、旧弾薬(7.62ミリNATO弾)の発射薬の在庫ストックを処分するために5.56mm弾には不適合である7.62×51mm用発射薬を5.56×45弾に充填した物をM193弾として制式化する旨を発表した。 このM193弾はレミントン社の指定を無視して.308NATO弾の発射薬を使用したため、レミントン・オリジナル.223弾の発射薬とは違って、カーボンの燃えカスが大量に出る不具合が生じた。 そのため、高温多湿のベトナムの戦地において、残留カーボンが大量に付着したM16の薬室は即座に強烈な錆を誘発し、次弾が装填されない回転不良が多発した。ボルトに直接ガスを吹き付けて機関部を回転させるというリュングマン・システムにとって必要不可欠である「充分なメンテナンス」の必要性の指導が兵に行き届かなかったことも、作動不良に拍車をかけた。 また、NATO.308用の火薬を使用してしまったという発射薬不適合のため、当初の設計よりM16の発射速度は極端に上がってしまった。同時に撃発時の高圧インパクトによりチャンバーの中でエンプティ・ケースがちぎれてしまって、ケースのくぼみにエキストラクターの爪がひっかからず、排きょうがまったくできないという現象が頻繁に起こった。
こうなってしまってはボルトと連動する突起ノブを有しないM16は、銃口から棒を突っ込んで薬室の空ケースを叩き出すしかなく、銃撃戦の最中にこんなことをすることは不可能であり、軍の判断は戦闘中の兵士に閉ざされた未来を提供することとなった。こうして、原因はすり替えられ、あたかもM16そのものに作動不良がつき物のように誤解されていくのである。 戦闘現場の声を無視した軍の傲慢はべトナムで多くの不幸を招く結果となり、M16の作動不良は米国議会でも大問題となった。 ところが、作動不良の原因は弾薬にあるにもかかわらず、生産を請け負ったコルト社と軍は「手入れをしない兵士と銃そのものに原因がある」として、機関部をメッキ化したり、送弾中に詰まった弾を強制的に薬室に押し込める「フォワード・アシスト機能」を追加する等、11箇所を手直ししてこと足りるとした。 M16は「改良」されてM16A1となったが、これはM16が評価されるその後の「信頼に向けての進化」とは別に、苦難の道を歩み始めたことの証でもあった。 それほど改造にコストをかけるなら、弾薬切り替えに割り振ればよさそうなものだが、元傭兵で銃器に詳しい米国の某氏によると、官民の政治的・経済的利害と思惑が絡み、弾薬切り替えは一向に着手されなかったとのことだ。 時間をかけて銃器の欠点を改良していくという「バトル・タイム・プルーフ」というものが、えてして本質的な原因解明を外れて寄り道をしがちなものであることを、奇しくも世界最大の国家と軍が証明することとなったのだ。 M16がどうにか作動するようになる1960年代末期まで、徴兵された若者たちはろくに作動しない銃を持たされて戦場に立たされたのである。
そうした一方で、米軍はM16の別コンセプトの機種の開発を発動した。取り回しがよく小型化したM16の新型カービンモデルをベトナム戦争中にテストしたのである。これがCAR-15(M607)だ。別名GX5857(ガン・エクスペリメンタル5857)。だが、CAR-15の登場も順風満帆ではなかった。CAR-15はその形態から、消炎効果が少なくて敵に発見されやすい、銃身が短いために反動が制御しにくい等の欠点があったため、銃口部のサプレッサーを延長するなどした後期型を更に実戦投入してテストした。 しかし、当時のプラスティック技術は現在と比べると未成熟であり、伸縮式のプラ・ストックが破損したりしたため、新たに開発した新型のアルミ製伸縮ストックを備えたモデルにカービン銃の座を譲ることになる。 それは軍プロトタイプの呼称XMの名で呼ばれた。 これがCAR-15の発展型、M609=XM177E1である。 開発されたM609はXM177E1(エクスペリメンタル・モデル177エクスペリメンタル・モディフィケーション1)名で試験採用された。 タイプE1は1965年〜67年にかけて改良が行われ、更に改良を加え、XM177E2(M629)として生まれ変わる。 タイプE2は軍の試用名を「XM177E2」、コルト社での呼称を「M629」、マーケットでの商品名を「コルトAR-15コマンド」という。 「コルトAR-15」は略して「CAR-15」とも呼ぶので、M607のCAR-15と混同しそうで紛らわしい。 XM177E2は1966年に2815挺が製造されてべトナム戦に投入され、主に特殊部隊が使用した。 また、XM177E2は、1990年代後半に米軍に制式採用され、米軍特殊部隊をはじめ英国海兵隊(コマンドゥ)にも使用されているM4カービンの原型といえるものである。 各国の小銃カービン化の流れに深い影響を及ぼしたという点において、XM177E2は歴史的に極めて意味のある銃といえる。 カウンター・テロがもてはやされる現代においては、特殊部隊は市民権を得て活躍しているかのように見える。 だが1960年代初頭までは、英軍コマンドゥを真似たエリート選抜部隊の象徴であるグリーン・ベレーを米軍特殊部隊が被ることを軍は社会的批判を考慮して正式には認可していなかったのだ。 その後、J.F.ケネディー大統領がグリーン・ベレーを被ることを認めたため、米軍特殊部隊はようやく英国王室海兵隊を模倣したグリーンのベレーを被ることができたのである。 この帽子の着用ひとつをとってみても、特殊部隊が表舞台に登場することがいかに社会的批判の対象となっていたかが判る。 XM177E2は緑のベレー帽と同じように、一般部隊への支給は全く行われていない。 タイプE2は、まさに「特殊部隊を象徴する銃」といってもいいだろう。
<トイガンについて>ベースは2003年1月現在、ダントツのシェアを誇る東京マルイの電動ガン。 1994年4月8日に発売され、1999年12月1日には内部メカボックスエンジンの心臓部にEG700のモーターが搭載されてバージョンアップされた。 XMは「軽量ゆえサバイバル・ゲームに適している」などと言われる。 しかし、私はゲーム銃に大切なものは軽さよりも剛性・作動の信頼性である、という主義であるので、本体をアルミ・フレームに換装した。 メーカーはNCAというところのもので、岡山市内の某ショップの片隅で長年ほこりを被って番頭をしていたものをたまたま見つけて譲り受けた。 ただし、この製品、アッパー&ロア・フレームは銀色のアルミの生地のまま。 しかも、表面が酸化してくすんでいる。 そこで、自分で下地処理をし、アルミ用ブルー液でブルーイングした。 下地処理→ブルーイング(5回)→ポリッシュで合計5時間くらい。 使い込むうちに角のブルーがこすれて銀の下地が出て、程よいクタビレ感を出しており、金属ならではの味わいがある。 構えたとき、本体がプラのようにギシギシときしむこともない。 <チューン・ナップ> よく言われるマルイM16系の首周りの剛性不足についてだが、XMに関しては、ノーマルでもさほど弱くはない。 かといって強くはないが、さりとてアルミフレームに換えたからと、それだけで首周り剛性が上がる訳でもない。 金属製アウターバレルの固定方法をビスの点どめにしている限り、剛性は上がらないのだ。アウターの付け根の支えを点でなく面で受ける改造をして初めて期待する剛性が得られる、といえるだろう。 従って、首元にアルミパイプやブロックをかませる等、横方向への力を「面」で支えればXMの首周り剛性アップはプラのノーマル・レシーバーでも可能だ。 首周りの剛性というものは、銃の命中率に大きく影響する。 弾着=グルーピングの精度を上げたいならば、まず第一にホップアップパッキンの選定が重要だ。 BB弾と接触するパッキンのホップ部分が面でなく3点支持でBB弾に回転を与える構造の物が存在すれば、弾道の直進性が向上しグルーピングに効果が上がる筈だ。 そして第二に、首周りの剛性を上げること。 ピストンの前後運動とシリンダー内壁にピストンヘッドが衝突する衝撃というものはかなりのものがあり、これにより不整振動が発生し、インナーバレルは大暴れする。これでは弾は当たらない。 バレルの暴れを抑えて命中精度を上げるためには、まず、アウターバレルが微動だにしないように固定されていて、さらにインナーバレルが微細な振動を吸収する状態(フローティング)でアウターバレルの内壁に適度に密着している必要がある。 私のXMでは、BB弾発射の際にインナーバレルが暴れないように、インナーの共振点(ハーモニックス・ポイント)数箇所に絶縁テープによるスペーサーを配置し、アウターバレル内側との隙間をなくすことにより振動を抑えてある。 これだけでも、格段に集弾性に向上がみられるので、おすすめだ。 ハーモニックスポイントは、スプーンの裏側でバレルを軽く叩きながら、音が変わる位置を探せば特定できる。 内部チューンはM90スプリングを組み、シリンダ・ヘッドを吸気効率のよい物に換装してある。 耐久性と吸気効率を考えて、ノズルはあえてノーマルのものを使用した。 更に、各部を適宜すり合わせしてフリクション・ロスを軽減させ、各ギヤにはそれぞれ4種類の異なるグリスを与えている。 初速は0.2g弾を使用し、海抜0メートルで94m/sec。 バッテリーは9.6V1500mAダブル・バッテリーをハンドガード内に搭載している。 私は、バッテリーの充電には細心の注意を払っている。 バッテリーというものは、ニッカドにしろ水素にしろ個体差がかなりあり、8.4Vや9.6Vの表示の通りの電圧が得られないことが多い。 容量についても、1400mAなどと表示されていても、メモリー効果の影響や個体の品質等でフルに充電できないことがある。 また逆に9.6Vのバッテリーでも、それを超える電圧となることもある。 電流(A)と電圧(V)を水にたとえると、流れる水の量が電流にあたり、流れる水の速さが電圧にあたる。 私はバッテリー能力を最大限に抽出するために、ラジコンの世界では一般的な「適正放電の後に24時間以上放置、使用直前に高電流急速チャージ」をしている。 チャージ電流はバッテリーによるが、9.6V1500mAニッカドバッテリーで4Aの電流チャージ。フルオートで3500発程撃てる。 (水素バッテリーは危険につき、9.6V1400mAの個体あたり1A以下でのチャージ) 電極の劣化防止のため、ゆくゆくはトリガースイッチのFETスイッチ化も視野に入れたい。 更に、このメタルXMは、トリガーピンをはじめ、テイクダウンピン等レシーバーを貫通するピン類すべてをサードパーティーの製品に交換して、ゲーム中に脱落しないようにセッティングしてある。 マルイM16シリーズは、機関部作動中にピン類が簡単に脱落してしまう欠点があるからだ。 メタルボディーに換装したこのXM177E2のバッテリーを含む装備重量は2800g。 実銃のXM177E2がマガジンなし本体で2450g。 実銃M16のフルロード20連マガジンが320g、30連マガジンが460g。 つまり、実弾をフルロードした20連マグを装着した実銃の重量に限りなく近い。 バッテリーによるフロントヘビーを避けるために、フラッシュハイダーとフロントアウタ、フロントサイトは樹脂のままにしてあり、バランスも実銃に近いリアルさを追求した。構えたときのバランスは抜群に良い。 マイバディ、イチナナ。 エアソフト・ゲームで使い勝手のよいエアガンに仕上がった。 (Jan,8.2003:by 元木正太)
<追記> 2008年5月5日、広島市内でのゲームレギュレーションに適合させるべく、 0.2gBB弾で最高初速が90m/s未満になるように再セッティングしました。 2006年5月現在、東京マルイXM177E2電動ガンは生産中止で廃版となったようです。 しかし、実銃の世界では、セミオートのみのコマーシャルモデルのタイプXM177E2は、 CAR-15もしくはコルト・コマンドと呼ばれて、現在でも米国内でとても人気がある銃です。 東京マルイが、電動エアガンのラインナップから歴史的に重要な名銃であるこの タイプXM177E2を削除したのは、とても残念でなりません。 私が所有するこのイチナナも、私が愛した2サイクルレーサーレプリカバイクのように 二度と蘇ることのない絶版モデルとなってしまうのだろうか。。。(涙) (2008年4月7日 記) |
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