| タップ交換 | |
by 渓流詩人 ![]() | |
※このページの本文は、2005年11月20日に作成してWeb上にアップしたオリジナルテキストです。<はじめに> タップは消耗品です。 チョークの研磨剤で擦り減ったり、長期間過ぎると硬くなったりします。 打感が自分に合わなかったり、打感が変わったなと思ったらすぐにタップ交換することをおすすめします。 タップ交換は難しそうに感じますが、試すと「あれ?」(^^) 基本的なツボを押さえれば、タップ交換は誰にでも簡単にできます。 私は今まで数百回以上タップ交換をしていますが、このコーナーでは身近な道具を使ったタップの交換のやり方と勘どころを紹介します。 キューに愛情を注げば、あなたもきっと綺麗に仕上げることができます。 ←タップの厚みは好みにもよりますが、プレーには一番右くらいの厚みは確保したいところです (左からTAD,Schon,Schon/タップはWB) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 <用意するもの> (画像はクリックで大きくなります) ホームセンターや文房具屋さんにあるもので十分です。 ただし、刃物類は「100円均一」のお店に置いてある物は駄目です。切れません(体験済み(^^;)) 。 【刃物類】
左から1.カッターの刃(オルファの黒刃)・・・・お奨めです。とてもよく切れます。 2.カッターの刃(オルファの銀刃)・・・・一般的なカッターの刃です。 3.革裁ち包丁・・・・昔はこれ一丁でタップ交換をしました。 最近、タップ交換専用と称した革裁ちがビリヤードショップから発売されているようですが、刃角を変えただけで数倍の値段をつけています。刃物業界の常識では考えられないことです。本来は在銘物の注文打ちでも3000円程度のものです。 4.豆カンナの刃・・・・ウォーターバッファローなどの硬いタップ用に便利です。 ※昔私は革裁ち包丁を使用していましたが、最近は、カッターの刃だけで、すべて 「切る」作業を済ませています。 カッターの唯一の欠点は、刃がすぐにナマルことと錆び易いこと。使い捨てと割り 切って切れ味が鈍ったら捨て、すぐに新しい刃を使うようにしています。 【その他】
左から1.接着剤・・・・・アロンアルファ。お奨めです。革用のものを選んでください。 2.紙ヤスリ・・・・タップ底の平面出しと仕上げに使います。#240〜#2000を用意。 3.ヤスリ・・・・・・金工用の目立て板ヤスリです。全体的なタップの整形に使用。 4.セロテープ・・先角を接着剤から保護するのに使います。 5.ドレッサー・・・ADAMから発売されている物で、表面削りの携帯用です。 6.研磨剤・・・・・・いろいろな研磨剤がありますが、ピカールが手ごろ。先角を磨く際 に使います。 7.牛乳・・・・・・・・秘密兵器(笑)。使い方はのちほどご説明します。 ※これらのうち1〜4は必ず必要ですので、揃えてください。 【タップ】
タップには一枚革から薄い革を重ねた積層タップまで、いくつかの種類があります。 左から 1.一枚革-----フランス製の仔牛やアメリカ製の水牛の革など。 長所--打球感と音が良い。短所--個体差多し。 2.積層物-----モーリに代表されるタップ。多積層と二枚重ねがある。 長所--個体差が少ない。短所--高価。革貼りの接着剤に不安。 3.ファイバー---ブルータップと総称されるものでエルクマスターやブランズウィック 10トン締めなどがこれ。 長所--マニアックな打感。短所--個体差激しく外れ品も多い。 4.座--------先角保護の緩衝目的で付けるタップの座布団。硬いタップと組 み合わせるとよい打感が得られることがあります。 チャンピオンのように最初から座付きのタップもあります。 ※タップはあくまで個人の好みです。自分に合うタップが一番良いのであって、「万人にこれが一番」というものはありません。 人に自分の好みを押しつけないようにしましょう。空気が気まずくなりますよ(^^;) <タップ交換の手順> (画像はクリックで大きくなります) タップの状態
タップには旬があります。使っているうちに硬くなったり、大きく型崩れしたり、つぶれて変形したものは交換 しましょう。 画像の左側のタップは、交換時期が来たタップです。 座の部分とタップの革の部分が一部分離しているのが見えますでしょうか? これはいわゆる「パンク」と呼ばれる状態です。 まだ使える右のタップの座部分の接着面との違いにご注目ください。 また、革の繊維が崩れてしまう「ちょうちん」と呼ばれる状態になったタップも交換 が必要です。 タップの寿命は短いもので50時間程度のものもあります。 長いものでも2ヶ月程度で革質の最良の状態を過ぎてしまいます。 プレーヤーは常にタップの状態をチェックする気遣いが必要です。 タップ選び
シャフトの特性、打感の好み、求める食いつき等に合わせてタップを選択します。硬いキューには柔らかいタップ、柔らかいキューには硬いタップが合うと昔から言わ れていました。 これはキューのディフレクションによる玉ズレや横トビと密接な関係にあることを示 すものですが、ハイテクシャフトの登場によって一概には規定できなくなりました。 タップはまったく個人の好みで選択するのが最近のセオリーとなりつつあります。 タップ自体の基本性能のツボとしては、硬いタップは手玉の横トビが出やすく、また 柔らかいタップはスロウが出やすい傾向にあります。 また、硬くても粘りのある革質のタップも存在し、これは極めてキュー切れがよくな ります。 最近は、こうした一枚革のタップは、世界的な資源枯渇のために製品化が困難になってきているようです。 タップの下処理
新品タップにはコーティングがされています。タップの下面をサンドペーパーでこすってコーティングをはがし、平面を出します。 このとき、サンドペーパーは平らな場所に置き、タップはゆっくりと円を描くように こすります。 前後運動でこすると、タップの外周が偏磨耗するので、あくまでゆっくりとなめらか な円を描くようにこするのがコツです。 サンドペーパーの番手は、私は最初#240番を使います。 平面が出た頃、最終的に#800番で軽くなでるようにして仕上げをします。 (タップ:オールドチャンピオン) タップの平面出し
タップの下面の処理ができたら、きちんと平面が出ているか、平らな物に当てて、光に透かして肉眼で確認します。 とても大切なポイントなので、しっかりと丁寧に平面出しをするようにしましょう。 僅かな隙間もないように仕上っているならば、タップの下地処理はOKです。 タップの平面出し(裏技)
もし、タップの下面の平面が出ていなかったら・・・・必殺の裏技を使って平面出しをしてしまいます。 画像のようにカッターの刃を垂直にタップに立てて、タップは動かさずにカッターの 刃を時計の針の方向に垂直のままゆっくりと回します。 しかし、これを繰り返すと、真ん中の円心部分だけ削りが残ってしまいますので、 適度に回し削りをしたら、ワイパーのようにして真ん中も削いでいくのがコツです。 刃を立てたまま、表面をまんべんなく削ぐようにするのがポイント。 この作業は慣れが必要ですが、先角の水平出しの際も必要になってくる必須の 手ワザですので、必ずマスターして下さい。 これができないと、手作業で先角のトップを平面にすることはできません。 特殊なタップの平面出し
最近人気のコンクエストだけは特別な処理をします。コンクエストは厚手の特殊コーティング処理をしているため、タップ下面を紙ヤスリ や金ヤスリで少々削った位では全く接着剤が乗りません。 まるで表面が砂消しゴムのようで、接着剤がどんどん染み込んでしまいます。 かといって、ゼリー状の瞬間接着剤でも接着ができません。 コンクエストに限っては、二枚重ねの下部分の革を半分あたりから切断して別な革 の層を露出させて、その後にカッターとヤスリとサンドペーパーで平面出しを行い ます。 コーティングの影響を受けていない良質な革の部分は、出荷状態のタップの下面か ら2ミリ以上の位置から上にあるので、下面半分は思い切ってカッターで切断して しまうのが良策です。最終平面出しはカッターの刃を立てて行います。 古いタップの取り外し
取り替えるタップの下ごしらえができたら、次に先角についている古いタップを取り外します。 これは革裁ち包丁を使って落とすと楽ですが、一般的なタップの場合、カッターの 刃で簡単に落とすことができます。 (シャフト:TADオリジナル、先角:Buddy's象牙、タップ:オールドチャンピオン) タップの切断のしかた
昔のウォーターバッファロー(WB)やコンクエストのように粘りのある良質な革の物はカッターの刃だけでは時間がかかりますが、焦らず根気よく丁寧に切り落とすよう にします。 シャフトを平らな机の上に置いて、刃を垂直に押し付けたまま刃の方は動かさずに シャフトだけをクルクルと回す要領で刃を食い込ませて行くようにして切断します。 決して先角に刃が当たらないように注意して、タップの座やタップを1ミリほど残す ようにして切り落とすのがポイントです。 タップを完全に除去
次に、先角に残ったタップを切り落としていきます。コツは、刃を持つ手の人差し指の第一関節と第二関節の間の指の背を先角の面に 密着させて、刃は決して動かさずシャフトをゆっくりとまわしながら、リンゴの皮剥き のように剥いていくことです。 シャフトを回すときに、左手の中でシャフトが遊ばないように先角部分にティッシュ を巻いて、シャフトのすわりをよくしておくのも効果的です。 刃を持つ側の手は、刃角を決めたら微動だに動かさないことがポイントです。 刃側の押さえ(人差し指)が動くと刃もぐらついてしまい、きちんとした切り込みが できません。 最悪の場合、先角の角を削ぎ落としたりしてしまいますので、人差し指の固定だけ は、しっかりとしておきましょう。 先角のトップに固着している接着剤も、同様の方法で削ぎ落とします。 先角の平面出し
タップ、接着剤の残りかすが大体除去できたらタップの平面出しと同じ方法で先角の平面出しをします。 削り方は、隙間ができないように刃を垂直に当て、決してシャフトを動かさず 刃だけをゆっくりと時計の針のように回していくのがコツです。 もし、シャフト側を回す場合は、決して刃を動かさずシャフトのみを回すようにします。 同時にどちらも動かすのは絶対に避けるようにします。 先角の平面出しの確認
先角の下面の処理ができたら、きちんと平面が出ているか、平らな物に当てて、光に透かして肉眼で確認します。 とても大切なポイントなので、しっかりと丁寧に平面出しをするようにしましょう。 僅かな隙間もないように仕上っているならば、先角の下地処理はOKです。 先角の保護
ここで先角に市販のセロハンテープを巻いて保護します。ただし、これはあくまで接着剤から先角を守るためであって、刃物から守るため ではありません。 鋭利な刃物はマスキングテープだろうがガムテープだろうが、食い込んで先角を傷 つけてしまいます。 テープの上面を先角のトップから1ミリ以内まで持って行って巻くのがコツです。 コンマ数ミリたりとも、先角よりテープが上に出てはいけません。 タップ接着の際に支障が出ます。 平面(水平)の再確認
下ごしらえの済んだタップを先角に乗せて、隙間がないか確認します。コンマ数ミリの隙間があっても打感を損ねたり、タップ本来の能力が発揮できなかっ たりします。 わずかでも隙間がないかどうか、細心の注意を払ってください。 ※この確認作業がタップ交換の最大のキモです。 先角への接着剤の塗布
先角に接着剤を塗ります。象牙先角でフタ付(先角トップ面にシャフトの芯が露出してないもの)の場合は、 先角加工工程で出た小さな中心穴のくぼみがありますので、そこをまず埋めるよう にします。 この部分の接着剤が乾くまでに手際よく次のタップ接着の工程を完了できない場合 は、凝固した接着剤が盛り上がってしまいますので、これを削ぎ落とす平面出しの 作業が再度必要となります。 フタなしの先角
これはフタなしの先角。いわゆる「つき通し」というタイプのものです。 このタイプの先角の場合は、タップ側に接着剤を塗布するだけでOKです タップへの接着剤の塗布
タップに接着剤を塗布します。チャンピオンのように最初から座が付いているものは、中央付近に豚の鼻みたいに 穴が二つあいているものが多くあります。 この穴に空気が残ったままだとトラブルのもとになりますので、まずここを接着剤 で完全に埋めてしまいます。 瞬間接着剤(シアノ)は、一般的接着剤と違い、ベタッと面塗りした場合にはシアノ 特有の接着力が得られません。 シアノに限って、塗布というより「・・・」と接着剤をたらすようにして、隙間を作って あげなければなりません。 ベタ塗りすると、タップがやがて片浮きしたりすることがあります。 タップに連続点で円を描くようにして瞬間接着剤の滴を落として接着すると、非常に 強固な接着力が得られます。 但し、タップ外周部分のみは空気に触れて早く凝固するため、全周ベタ塗りします。 接着
接着剤が乾かないうちに手早くタップを先角に乗せます。センターがずれないように先角の中心とタップの中心を合わせるのがコツです。 瞬間接着剤のシアノアクリレートは、通常の接着剤が空気に触れて乾燥して 凝固するのに対し、水分に触れたときに化学反応を起こして凝固する性質の ものです。 接着面の革に含まれる微少の水分や空気中の水分に反応して凝固します。 ですから、手などにシアノが付着するとすぐにくっついてしまうのです。 手に付着した場合は、ぬるま湯等でゆっくりと揉んではがすようにします。 圧縮
瞬間接着剤といえども、テンションをかけて押圧(おうあつ)しないと十分な密着は得られません。 接着剤が固まる前に、シャフトを下に向けて硬い台の上に押しつけて圧縮します。 このとき、タップと先角の隙間に残った空気がプチプチと音を立てて逃げていきま す。 接着剤が固まるまでの間、タップが変形するくらいの力で押圧し続けて下さい。 接着剤がほんのわずかはみ出すくらいが接着剤の適量です。 木工ボンドが一般的だった頃は、この段階でシャフトをバットにつなぎ、タップを 下に向けて、上から硬い床やコンクリートに垂直落下させて押圧しました。 現在、シアノで接着しても似たようなことをすることがありますが、接着のため でなく、むしろ接着完了後にタップの音を確認する意味合いが大きいようです。 タップの切りはじめ
接着が完了したら、タップの側面とはみ出た接着剤を一緒に削いでいきます。昔は、最初の切り出しはシャフトを下に向けてまな板の上に押さえつけて革裁ち 包丁で側面をザクザク切り落としましたが、革の繊維を縦に断つことによる繊維 方向の偏位の悪影響の回避と刃物の切れ味を最大に発揮させるため現在では刃 を斜めにあてて、斜め方向に鋭くスライスするように切ることにしています。 手間のかかる方法ですが、これは革にとって大切な気配りです。 刺身を作るときに、柳葉包丁で垂直に上から切断することはしないですよね。 あれは、肉の繊維をどの方向に断つかが材を生かす要だからです。 ここでの刃の持ち方は、刃の平の部分を曲げた人差し指の第一関節の腹の部分 にしっかりと密着させて、浮かさないことです。 また、第一関節の背は先角の面に密着させます。 スライスの際は左の親指を少し押すようにして、人差し指の腹に乗った刃の平を 微妙にスライドさせる技を使います。 タップ側面の切り出し
サクサクとリンゴの皮むきのように削いでいきます。刃は動かさずに、シャフトを回すようにして切っていきます。 シャフトの縦方向に対するカッターの角度にご注目ください。 刃物は、日本刀だろうが包丁だろうがカッターだろうが、物体に対して約40度の 入射角で刃をあてたときが一番切れ味が増します。 日本刀の場合は、正面の真っ向切りよりもいわゆる「袈裟切り」が一番切れます。 タップ交換の際のカッターをあてる角度はこれを横方向に寝かせた角度にします。 最初からその角度まずありきでなく、一番切れる角度を探すとおのずとその角度 に落ち着きます。 タップ側面の桂剥き
軽快にどんどん行きます♪まるで、大根の桂剥きです。 タップ交換作業の一番楽しいところです。 リズムに乗って拍子を崩さずに行きましょう♪ でも私は、ラップより16ビートのリズムの方が切るリズムは合ってます(笑) ここでは、刃をスライドさせません。 あくまで刃は右手に固定したまま。 指の第一関節と第二関節の背は先角の面にしっかり密着させて、刃の刃角も 変えてはいけません。 刃の面が起き上がったりペタンと寝たりしないように、指でしっかり固定します。 また、横方向の角度も変化させません。 シャフトの縦軸に対して、カッター全体が約40度右に倒れた角度を保ちます。 ヤスリ仕立て
タップの側面を切り終えたら、次に目立て用の目の細かい金工ヤスリでタップの上面を成形します。 ヤスリには削る方向があります。 ヤスリは斜め前の下方向に押し出す感じで、シャフトをゆっくりと回しながら、 右手の押し出しと左手の回転を同調させるのがコツです。 ヤスリがすべって先角を傷つけないように、自信がない方は、左手は画像よりも もっと先角の上の方を持って、ヤスリが落ちたときのガイドとすることをお奨め します。 シャフトをバットにつないで、バットエンドのバンパーゴムを床につけると安定 します。 タップのドレッシング
平ヤスリで大まかな円弧が描けたら、今度はタップドレッサーで仕上げの成形をします。 平ヤスリでも細密な仕上げが可能ですが、仕上がりが綺麗なので私はADAMの タップ・ドレッサーを愛用しています。 丸型のくぼみのドレッサーは、任意のRをつけられないので、一切使いません。 ADAMタップ・ドレッサーの難点は、すぐにヤスリ目が磨耗すること。 特許品のヤスリ板を貼り付けてあるのですが、本来の切削力を持つのはほんの 初期だけなのが玉に瑕(^^;) 後でまた裏技で成形するので、ここでは大体の目安となるRをつけます。 ちなみに、ここでの私のRは10円玉より少しだけ深いR。 タップ側面の仕上げ
削りではみ出たタップ上方の側面を仕上げます。また、セロハンテープは剥がして、先角の上方に接着剤の残りがないように慎重 に削ぎ落とします。 ここでのタップ上方の側面の仕上げはざっとでいいでしょう。 なぜならば、タップ成形の裏技の後に、またここの工程の作業を必ずしなければ ならないからです。 タップの成形 -裏技編-
これは削っているのではありません。叩いているのです。しかも、かなり強く。「撞き絞め」という悠長な時間を省くためにも、使用中のタップであれ、新品タップ であれ、このように平ヤスリでしばき倒します。 これは、新品タップやコンクエストのようなタップについてもとても効果的です。 叩いて横にはみ出てきたタップ側面は、上の工程の作業を再度サクサクッと 施してあげます。 また、この目の細かい平ヤスリによる叩きは、タップ表面に細かい凹みを無数に つけるため、どんなにノリの悪いチョークでも恐ろしくノルようになるというオマケ までついてきます。 シャフトをバットにつないだ状態でこの叩き上げをする場合は、バットエンドを床に つけたままでやるとキューが傷みます。キューは空中に吊り上げましょう。 そして、万が一空振りしたときにヤスリが先角を傷つけないように、左手はできる だけタップ寄りに持ってガイドとすることが大切です。 タップの成形 -裏技編 その2-
裏技の叩きで仕上げたタップはこのようなトップになります。(シャフト:P.Mottey用、先角:Buddy's象牙、タップ:コンクエスト・フラットS) タップの成形 -裏技編 その3-
別な角度から。チョークをよく噛みそうな理想的な状態に仕上がっています。 絞め、成形、表面仕上げが同時にできる一石三丁! タップは熱いうちに打て!(違) 間違っても目の粗い木工ヤスリではやらないでください。 とんでもないことになります(経験済み)。 タップ側面の仕上げ
カッターで鋭く切るだけでタップの側面は綺麗になります。しかし、更に表面を仕上げたい場合は、#2000番の紙ヤスリを細めに切って 画像のようにタップをはさみ、シャフトをクルクルと回して研磨します。 ここの工程はタップ交換の際は省いてもかまわないでしょう。 磨き
ここで、秘密兵器の登場です。そう。牛乳です。 タップは革です。 適度な保湿と油脂成分が必要。 以前、ドキュメンタリー番組でイタリアの靴職人が靴の革を磨き上げるのに 牛乳がとても適している、ということを言っていました。 牛乳の水分が表面を綺麗にして磨き上げ、脂分が中に浸透することによって 革にとって必要不可欠な保湿効果をもたらすのだそうです。 タップで試してみたらとても効果がありました。 少なくとも、ツバでネチョネチョきゅっきゅっとやるよりは、いいよね(笑) 少量の牛乳を布にしみ込ませて、強めにタップをはさんで、きゅっきゅっと いう音が出るまでシャフトを回して磨きます。 先角のポリッシュ
ついでだから、先角も磨いてあげましょう。キューのバット部分の手入れや磨きには、ピアノ用などの超微粒の楽器研磨剤を 使って丹念に磨くのですが、先角はピカール等の研磨剤でポリッシュしてあげれ ば十分に輝きを取り戻します。 特に象牙の先角などはピッカピカ♪ タップによっては研磨剤が付着するとタップの革の目に白く研磨剤が沈着する ものがあるので注意が必要です。 チョークの塗布
タップの形が整ったら、チョークをつけてみます。チョークに含まれる研磨剤はかなり強力です。 チョークというものは、研磨剤でタップの革を削りながらタップに食いついて 乗っていくのです。 試しに黒板に使う白墨をタップに塗ってみると、まったく乗らないことが分か ります。 研磨剤、恐るべし。 以前、チョークの成形のために平ヤスリの上でチョークをこすったら、金ヤスリ がオシャカになってしまったことがありました(^^;) タップ交換の仕上げにチョークを塗るのは、チョークの研磨剤でタップの表面を なじませて、最終的な成形をする意味も含めています。 完了
じゃ〜〜ん!すべての作業工程が完了です。 おつかれさまでした。 どうでしょうか? う〜ん。光ってます。 プリンとしてます。 Oh!プリティ〜〜!ベイベ〜〜(^^♪ ここまでの作業は、時間にして早いときは15分くらい。 ゆっくりやっても30分くらいです。 作業というものは「遅い=丁寧」ということではないので(^^;) 時間よりも、丁寧さを第一に愛情をもってキューに接してあげてください。 きっとキューも応えてくれますよん♪ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ブレイクタイム
ということで、すべての作業を終えて、くつろぎのひととき。 先ほど使った牛乳の残りでミルクティーでも入れて、ゆったりとした時間を お過ごし下さいませ。 まさに、心落ち着くブレイクタイム。 ブレイクタイ・・・ ブレイク・・・・ えっ? 私のブレイクの順番、まだぁ? (^-^)v
それにしてもtipのことを日本ではなぜ「タップ」と呼ぶのでしょう? きっと、幕末か明治の頃に、「コンと突く」という意味の英語の「タップ」を 異人さんがしゃべったか説明したかして、日本人がtipのことをタップと勘違いして、それが出島か横浜か鹿鳴館あたりで定着したのかも知れない。 と私は思ったりします。 (November,20.2005:by 渓流詩人 )
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